*[CD]ブラームスをなめるんじゃないですよ

のだめカンタービレSelection CD Book (KCピース)

のだめカンタービレSelection CD Book (KCピース)

「のだめ」商法、再開である。
のだめカンタービレ」が人気漫画であることは言うまでもないが、過去において「のだめカンタービレ (CCCD)」という限定商品が出て、あっという間に完売。その後はプレミアがついてオークションに出品されると言う状態が続いていた。(プレミア価格は、各々の曲1枚1枚を別に購入するよりも高い)

クラシックのCDとしては異例なほど売れた「のだめカンタービレ (CCCD)」。背景には、クラシックには興味はあるものの、奥行きがあまりにも深すぎて、敷居が高そうに感じてしまう点が、これからクラシックを聞こうとする人にとってはネックだったという理由がある。レコード会社としても、その要求に無関心だったわけではなく、無数の「アルファ波のでる…」とか「映画の中に出て来る…」とか「CMに使われる…」といった発売の仕方がなされていた。にもかかわらず、クラシックはクラシック並みの売れ方しかしなかったのだ。そこへこの「のだめカンタービレ (CCCD)」のヒットである。レコード会社のクラシック担当者も、ここである種の売れる法則に気がついたのかもしれない。すなわち、「漫画・アニメグッズ」としてのクラシックをと言うわけである。

講談社でも、こういった市場のNeedsを把握しつつも、より効率的なマーケティングを検討していたのだろうか?とりあえずこの「のだめカンタービレ Selection CD Book」は、「のだめカンタービレ (CCCD)」的な商売を踏襲していた訳だ。ところが、次のような企画まで飛び出してくるとなると、さらに攻めの姿勢を強めてきたと言うことだろう。

ブラームス:交響曲第1番~のだめカンタービレ

ブラームス:交響曲第1番~のだめカンタービレ

これを見て驚くのは、「千秋真一(指揮)R☆Sオーケストラ」とあるところだ。いったい、本当は誰が指揮・演奏しているのだろうか?気になるところだ。もしかして既に著作権放棄さえされたような、どうでもいい演奏のものに「千秋真一(指揮)R☆Sオーケストラ」とラベルを貼って、売り出した物をつかまされると言うリスクもある。であるすれば、「まったくブラームスをなめるんじゃないですよ(by ミルヒ)」だが、こういうものが出てくると、聞いてみたくなると言うのもまた人情だ。

まあ、かくのごとく書いてきた私ではあるが、クラシックにはそれほど通じてはいない。それこそ「のだめカンタービレ Selection CD Book」でも買って、入り口からクラシックの奥行きに触れたがる口である。ましてや、ブラームスなどと言ったら、3曲ぐらいしか知らないかな?誰の、どの演奏が…を云々できるほど聞き込んでなどいないわけだ。

そんな私こそ、「まったくブラームスをなめるんじゃないですよ」と言われなければならないだろうなぁ…