最近の日本語
「まったり」と言う言葉を何の抵抗も無く使っている世代は、現時点で30代前半ぐらいだろうか?そう思うのには訳がある。
私がこの言葉に最初に遭遇したのは、「美味しんぼ」のビッグコミック・スピリッツの第1回連載の中で、「栗田」なる女性記者が何の注釈も無く使っているシーンを見たときだ。「何の注釈も無い」ということは、ローカルな場面ではどこかで使われていたのだろうが、コミック誌などという「大きなメディア」で使われたのは、これが最初だったのではないだろうか?
- 作者: 雁屋哲,花咲アキラ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1985/03/01
- メディア: 単行本
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というのも、「おいしんぼ」の連載以来、TVではグルメ番組が乱立し、知名度の高いタレントたちが、意味を知ってか知らずか、「まったり」を使い始めた。この後生まれた連中は言うまでもなく、TVの影響を受けやすい年齢に達していた子供たちが、その洗礼を受けて現在に至っているような気がする。
ちなみに、「まったり」が「味わいが穏やかでいながら、コクがある」と言う意味で「広辞苑」を初め、多くの辞書に掲載されだしたのは、割と最近だ。ただ、みんな、そういう意味を念頭において使っているとは思えない。「…の午後を、まったりと過ごす」なんてつかってるが、「味わいが穏やかでいながら、コクのある」午後の過ごし方って、誰かしたことがある?(笑)
まあ、言葉は意味が最初にあって使われる他、使われ始めてから意味が限定されたり、追加される場合も多いのだから、「まったり」だってその例に漏れないのだろうが、自分としては、「まったり」は使われだしたきっかけがかなり明確だったように思う。