良い事と悪い事

ん〜なははぁ〜〜〜♪運命は、私を見捨てていないなぁ〜。
年末ジャンボを調べてもらったら、13000円、当たってました。
早速、例のジャケットを買ってきました。
問題は色だね。黒や紺は無難なだけに、面白味を欠くので茶系が良いなと思ってた。黄土色が良く目立つし、シャツやマフラーの色と合っている様な気がするけど、ちょっと軽薄に見えるんだよね。多少の面白味には欠けても、ここはこげ茶(マロン)にしておくかぁ……おまけに、アスコットタイを買ったのだが、アスコットって、キザッたらしくて、嫌なヤツを思い出してしまうので、買ってはみたものの着けないかもしれない。(それなりに気に入った柄ではあるけどね)

夜、町内会の新年会で仇敵を発見した。

我が家の建築法は、およそ建築家としての倫理観を疑いたくなるような設計で作られている。まあ、今、国会あたりでうるさい、マンションやホテルの耐震強度の構造設計計算書のデータ改ざん疑惑同様、天井裏が覗けないほど天井板に屋上のコンクリートが迫っていたり、雨漏りが直せないような天井裏の構造になっていたり、古くなって交換した電気設備の廃品を処分するにも運び出せない場所にキュービクルが設置したりというほど、お粗末な造りなのである。

雨漏りや壁の剥落があると、いったいどこのどんな阿呆がこんな建物を建てさせたのか、もし面を拝むことが出来たのならば、ぶん殴ってやりたいとかねがね思っていたのである。それが、今日偶然に知ることが出来た。

ウチの隣の2階には、喫茶店がテナントとして入っている。店長は女性なのだが、彼女の亭主は電気やら水周りやらの設備工事の会社をしている。その男が、ウチの店先の照明の暗さに難癖をつけた。しかも、角地にあるウチの店の暗さは、ウチの問題だけではなくて、商店街全体のイメージダウンに繋がっているなどと言い出した。そして、つい口が滑ったのか?ウチの建物の設計は自分がやったので、設備のことも良く知っているとまで言い出したのである。おまけに、竣工と同時に倒産して、我々の苦情など全て封じ込んでしまったその建設会社に勤務しており、ウチだけではなく、この近所の建物は全て担当していたとも。

私には、親の仇に巡り合えた様な気持ちだった。とはいえ、場所は彼の店の中だし、場面も町内会の新年会の2次会というシチュエーションだ。いきなり殴りかかるわけにはいかない。しかし、商店街全体のイメージダウンとまで言われると、ついつい言い返したくなることも、当然ある。

「俺はね、ウチの建物の造りがあまりにもお粗末なものだから、そんな設計をしたやつを見つけたら、首でも締めてやりたいと思っていたんですよ」と、素直に口に出してやった。

すると男は、「いやあ、あんたの家の時は、俺は未だ新入りのペエペエでね……」と、逃げを打ち出した。「この近所全ての設計を担当したんでしょ?」と私。「あの…とにかく、今のお店の照明、暗すぎるから、直した方がいいよ」と話をそらすのである。「まるで、構造設計疑惑の関係者の言い訳のようですね」と言っているところで、同じテーブルにいたほかの連中が、ゴルフのハンデの話で盛り上がり始めて、大声で言い合いを始めたので、話はそちらに流れてしまった。

まあ、このまま居ても、ただただ険悪になるだけなので、男が席を立ったときに、隣の商店会長に返ることをつけると、状況をよく察しているようで、帰してくれた。

男の言う、「ペエペエだった」は、年齢的に見ても、おそらく事実だろう。この近所全てを担当したというのには、多少のフカシが入っていると思う。ただし、およそ、建物の設計をしているものなら、喩えペエペエでも、こんな造りでは、後々問題が出てくることぐらいは、承知のはずだ。承知しながらも、仕事をもらっている関係上、自分の信念など通せなかったのだろう。

いま、建設業界で問題になっていることなんかは、およそこんな連中が、信念を通すことなく、あるいは信念など持ち合わせないで、引き起こし、それが慣行となっていったのだと、独断ながら、私は思うのである。

午前中に良い事のあった日の終わり方は、こんなものなのかもしれない。