市場経済原理主義かぁ?

ライブドア・ショック以後、どうも「市場経済」とか「小さな政府」を主張する側の旗色が悪くなったという。誰が言い出したか知らないが「市場経済原理主義」なんて言葉まで飛び出した。
奇妙な話と感じる人もいるだろうが、戦後の日本は世界で唯一社会主義を成功させて来た国である。それには、アメリカの庇護の下、軍備に金を使わずに済んできた事などのラッキーな面があったにせよ、石油危機やニクソン・ショックも乗り越えたのは驚異的ともいえる。でもそれも、バブル崩壊以後の長期の経済的低迷で限界に来た。

巨額の財政赤字を抱えて、国債は国内の金融機関と国内の投資家しか手を出さない状態にまでなってしまった。国民年金は掛け金未払いが増えて、年を追って若い世代への支払い分が減らされてきても、なお年金制度そのものの維持が難しくなってきている。

こうなったら、今までの社会主義的政策を改め、市場には競争原理を導入し、公的機関とは言えども予算の使い途を真剣に吟味し、無駄な公共投資を徹底的に減らしていく「小さな政府」でやっていく他ないというのが改革の路線だったはずである。

ところが、マンションやホテルの構造計算偽造事件やライブドア・ショック以後、この論調は一気に冷え込んでしまい、代わって、小泉首相の改革路線を批判するために、「小さな政府」や「市場競争の原理」を「管から民に移した弊害」だの「行き過ぎた市場競争」「市場経済原理主義」などとのたまう輩が増えてきた。

いったい彼らは、この財政状態を「小さな政府」にすることなく、規制緩和もない市場で、どうやって改善していこうというのだろうか?

そういう事を考えていたら、週刊メールジャーナルに面白い記事が転載されて送られてきた。

思うに、大学の経済学部にいる人たちは、今、敗北したマルクス経済学ではなく、勝ち残った近代経済学のほうを学んでいる人が多くいると思うが、その彼らにすれば、市場経済のどこがいけないんだ?って感じじゃないだろうか?

まあ、私の意見は「市場経済も計画経済も万能薬ではなくて、使う場所を吟味して効果的に使ってこそ、薬の役目を果たすのだと思う」というやつであるが、現在の株式相場も行政の改革も決して行き過ぎているとは思わない。むしろ、未だ不十分だ。

ライブドアの旧幹部たちの不正は糺さねばならないと思うが、株式分割M&A投資事業組合などは、監視体制、情報開示が徹底されていれば、決して悪いことじゃない。

これら一連の逮捕劇は、改革路線への反対勢力の巻き返しと見るが、どうだろうか?