2006年日本代表初試合

一言で言えば、日米のコンディションと組織の熟成度の差ということだろう。あまりアテにならないとはいえ、FIFAランキングでも一桁と二桁の差のある相手、前回のW杯での実績でも内容・結果とも日本より格上相手に、オフ開けのコンディションの上、付け焼刃のフォーメーションで挑んだ結果が後半早々までに3点のビハインドとなって現れてしまった。そして、終盤粘ったものの、ついに追いつけなかった。
選手個々を見ても、小野、久保、加地は物凄く久しぶりの実戦であり、アレックスや小笠原も体と相談しながらやっているようで、3点取られるまでは全てのこぼれ玉をアメリカ側に拾われていたんじゃないかと思った。

逆に出場をアピールしたがっている若手はコンディションも良く、長谷部や阿部などは後ろからかなり小突かれながらも、しっかり耐えて頑張っていた。巻などは、屈強なDFと競り合いながらも良くゴールを決めていたと思う。

面白かったのは、ゴール前での中沢とポープの小競り合い。先にポープに決められてしまった中沢は、絶対に自分で得点したかったのだろう。前半からアメリカが飛ばしていて、最後は脚が止まっていたとはいえ、良くぞ点をいれ返したと思う。

さて問題点だが、まず走れない(怪我が怖くて、動きをセーブしている)FWの1トップではDFラインで余裕でボール回しされてしまい、全くプレスがかからない。久保を使うにしても、やはり2トップで挑むべきだったろう。

それから、コンビネーションが合わずに途中でボールを失うから、全く余裕のない状態で逆襲を喰らってしまっていた。しかも、3バックの両脇を執拗に突かれて、その対応のため、アレックスなどは3点取られるまで消されていた。

結局、選手交代でフレッシュな選手を入れ、さらに2トップでDFラインのボール回しを妨害し、4バックで両脇を固めると、前半から飛ばしすぎた相手の脚が止まったこともあり、ボールも奪えるし、パスも繋がるようになった。

まあ、現時点では久保の1トップシステムは成功していない。むろん、今後も煮詰めていくのだろうから、これで終りということではないが、2トップの方がスムーズだと思う。

また、アレックスは、本来4バックの左サイドバックの選手ではないと思う。それで、もし左サイドで使うなら、サイドハーフで使ってみたらどうなのだろうか?今の日本代表には、パサーが多くて、ドリブラーが少ない。アレックスが左サイドでボールをキープしている間、中では他の選手がポジションをとりやすいと思うのだ。左サイドバックには中田浩二か村井が堅実で面白いと思うが、どうだろうか?

まあ、テストマッチなので勝ち負けに一喜一憂するのも馬鹿らしいが、負けるとやっぱり気分が悪い。出来れば、勝ち試合が見たいよ。