喜びすぎてはいけないフィンランド戦

フィンランド弱ぇえええええ………ただデカイだけ。なんなの、走らない、攻めない、ボールを取りにこない、あれは?おまけに、クロスの精度がめちゃくちゃ悪い。
アジア最終予選で対戦したイラン・バーレーン北朝鮮よりも弱い。
あまりに弱すぎるから、たぶんベスト・メンバーじゃないんだろう。
そういえば、欧州各国のリーグ戦は佳境に入っていて、優勝争い、残留争いの正念場とも言える。こんな時期に、地球の裏側の国に大事な選手を連れて行かれては、クラブチームとしても迷惑だろうからね。
まあ、先週のアメリカ戦同様、勝ち負けに一喜一憂しててはいけない。選手個々のパフォーマンスに注目したい。

まず、久保の1トップのシステムは止めにしたらしい。
なんでだろう?
久保の希望だろうか?
伝え聞くところによれば、久保は1トップになるとゴール前に張り付いてしまったことで、自分の受け易いポジションでボールを受けられなっていたらしいという。そういえば、久保はゴール前で動かないタイプではなく、けっこう自由に動くタイプのFWだ。そのためには、2トップの方が良いのだろう。1トップで動けなくなるわけではないのだろうが、1トップ2シャドウで自由に動くといっても、どうしても動きが重なってしまい、ぶつかったり、思ったところにボールがでなかったりしていた。

そういう意味での今日の2トップ、久保と巻の組合わせは、ちょっと面白いと思った。上背のある2人が自由にポジションを取り合うと、DFのマークが甘くなるからだ。上背のある選手というのは、とかく運動量が少なかったり、脚が遅かったりするものだが、この2人ついては、病み上がりの久保も順調に動けそうだし、巻については、その心配は全くない。

実際、巻はボールを良く追っていた。フィンランドのパスが上手く繋がらなかったのは、巻が最初のところで、フィンランドDFにプレッシャーをかけていたからに他ならない。代表に残留するためには、この試合も得点が欲しかったが、勝利には貢献していると思う。

村井という選手の面白さは、アレックスの強引なドリブル突破とは違って、「機を見るに敏」という感じで、するするっとサイドを駆け上がっていく。タイミングが良いから、サイド突破に危険が失敗が少なく、同時に危険も少ない。ただ、クロスの精度が今ひとつ。これが上がれば、アレックスをポジションから追い出してしまうかもしれない。

坪井に関しては評価が難しい。なにしろ、何を考えているのか、フィンランドは全然攻め上がって来ない。危機が少ないから、守備機会も少なく、余裕で対処できていた。でも、こんなチームがW杯の本大会に出てくるはずがない。せっかくのアピールのチャンスをフィンランドの消極性のために邪魔をされた感じだ。

この試合は、小笠原で決まった試合だ。久保への絶妙の先制アシストや自身の追加点となるロング・ループ・シュートに尽きる。そのロング・シュートも周りの選手を上手く使ってGKにスルーパスを意識させて、前につり出したもので、決してただラッキーなだけのゴールではない。小笠原と小野の関係も、俊輔と英の関係同様、前で並ぶよりも中央で縦に並んだ方が良い。

加地は、前半こそデカイ相手DF越しに高いクロスを蹴ろうとしてミスを繰り返していたが、後半はタイミング良く抜け出して、グラウンダーのキックでたびたび決定機を演出していた。小笠原とのコンビネーションは実に良い。

守備の選手には全く経験値を積むことの出来なかった試合で、書くことは殆ど無い。でも、まだまだミスは多い。今日のフィンランドは、ボールを奪っても全く後ろからの押し上げもなく、孤立したボールの担い手が、虚しくボールを奪われていた。日本の良い面が出たとは言い難く、このようなフィンランドを相手でも、不安を拭い切れない脆さを、W杯のグループリーグの対戦相手国に曝してしまったのではないかと、不安になる。