詐欺事件、終息へ

月曜日の朝、兄だか弟だか知らないが、例の女の身内から電話があり、現金書留で送金すると連絡があり、本日、言葉どおりに金が届いた


まあ私も腹が立っていたので、「詐欺事件」とは書いてみたものの、結局は精神異常者の女が「取り込み詐欺」の手口の一部を使って、ウチの店から1万円相当の品物を騙し取ろうとしたものと言う扱いになった。(結局は詐欺って事じゃねえか…笑)


あの女の身内が、いったいどこに住んでいるんだろうか?と現金封筒を見ても、例の女の名前と住所しか書かれておらず、結局、その身内としては、徹底的に自分の存在を隠したいと言う意図らしい。


代金よりも多めに入れられた現金、迷惑料も含むと言うことだろうか?同封の白い紙に、その身内がワープロでプリント・アウトしたと思われる短い文章、「大変ご迷惑をおかけしました。悪意があってやったことではございません……云々」とある。


なんじゃい、こりゃ。そりゃ騙される方にも油断はあったかもしれないけど、なかなか手の込んだ手口であったことは確かで、放って置くべきではないと思うのだが、その身内さんとしては、このままの状態で放って置くのだろうか?


さて、それよりも困ったのは余分なお金のこと。それについては一行も書かれていなかった。書いてあれば、まあ晴れてご入金と言うことになるのだが、書かれてない以上、余分は返したい。返したいが、分かっている住所は例の女の分だけだ


これをその女に返した場合、ウチの店にはたぶん注文はしてこないだろうが、他所の店で同じ手口で悪さを働く可能性がある。


まず、最初の注文のときは、快く支払いをして安心させ、次の取引のときに一気に注文量を増やして喜ばせて、引っ掛ける。これは、見事な「取り込み詐欺」のイントロダクションだ。ただ、この気違い女の洗練されて無い部分はと言えば、この2度目の取引で、早々にトラぶってしまうから、引っ掛ける金額が大きくならないのだ。これが、我々には幸いした形だ


本物の詐欺師ならば、ここで次にまた大きな注文があるからとか何とか期待させて、ここを円満に掛売りにさせ、それを何回か繰り返して、大きな金額を引っ掛ける。しかも、「すまないが、今、これだけしかお金が無いから、次回まとめてお払いする」なんてのが間に入れて、払う意思が一部でもある素振りを見せるので、詐欺事件として立件し難くするというのが、「取り込み詐欺」の典型的な例だ。


例の女が2度目でトラぶってしまうのは、取り込んだ商品を売って金に変える意思が無いからなのだろう。詐欺師なら金に換えなければ儲けにならないから、こんな馬鹿なことはしない。


おそらく、女は食べるものに困っていたのだろうと思われる。こういう詐欺まがいの行為を何度も繰り返すので、あちこちの店で取引停止されているものと思われる。そう思うと少し哀れに感じるが、一方で未だ引っ掛けていない店を電話帳のページを繰りながら物色しているのではないかと思うと癪に障ってくる。


いずれにしても、この女に余分な金を渡してはならない


ならば、どうやってこの身内氏に返そうか?


思案の末、彼の居場所を突き止めた交番の警察官にお願いしてみようと思う。私が会いに行けば迷惑がるだろうし、巡査殿ならば個人情報の漏洩の心配もあるまいと解釈してくれるはずだ。


ただ、業務外の仕事なので、彼が引き受けてくれるかが心配だ。