敗戦のショック…中田よ…

決して諦めていたわけではないが、ブラジル相手の試合で、この結果が覚悟できていなかったわけではない。2点差以上で勝つ必要があったから、リスクを犯して攻めあがり、恐れていたように時間の経過とともに失点を重ねた。

豪州戦の失点が1点差までなら、先制点の後、もう少し余裕を持てたかもしれないが、1点差の勝ちでは決勝トーナメントに進めない境遇に陥っていたのだから、こうなるのは仕方ない。

返す返すも悔やまれるのは、豪州戦の3失点目の駒野の守備。ロスタイムに入っていたから、サイドに追い詰めてもボールをキープされて時間稼ぎされるだけだから、サイドへ追い詰めずに、内へ切れ込ませたプレー。結果だけ考えれば、あそこで2点差になったために、「ブラジル相手に2点差以上の勝利」などという呪縛をかけられてしまった。

まあ、最初から、「豪州戦の勝ち負けが最も重要」といってたから、あくまでも勝ちに行く、あのプレーの選択があったわけだが、全3戦を考えて失点を最小限にコントロールするというのも、こういうリーグ戦の戦い方なのだ。ただ、その後のクロアチア戦だって、勝てる試合を引き分けて自分たちを追い込んでいるのだから、駒野のあのプレーだけを責めるのは、酷かもしれない。いずれにしても、この4年間については、日を改めて総括したい。

さて、覚悟していたのに、「敗戦のショック」はおかしなものだが、ショックだったのは、試合後に倒れこんで涙を隠している中田ヒデの姿。こんな光景には、ついぞお目にかかったことは無いから、TVカメラも執拗に撮り捲る。メディアは、敗者に情け容赦は無いね。

ただ、彼にしてこの悔しがり方は尋常ではない。今大会をもって、代表引退を口にしていただけに、この試合に賭ける思いは、他の代表選手の誰よりも強かったのだろう。

他の奴らは悔しくないのか?なんて、嫌味を言っても始まらない。表現の仕方は色々だし、全ては代表選手、当のご本人に帰っていく。また次があると思ってる奴らは、あまり悔しくないかもしれないが、果たして本当に次があるのか?余裕をカマしてられるのは、今だけかもしれない。