What’s PANA?

さて、久しぶりの更新。何をかこうかと思いめぐらせると、やはりアレだろうということになった。

今月の初め、例の多言語交流サークルのファミリーで、体験発表を行った。

体験発表といっても、普段の雑談の中で、私が話していることばかりなのだけど……。なぜ、そんな話をわざわざ発表会を開いてやったかというと、最初はリーダーのLさんが「月1のペースで、メンバーたち一人一人に体験発表をしてもらう」と言い出した時、運悪く彼女の隣に座っていた私が、トップバッターを仰せつかったのである。

「このサークルに入って体験したことや、気がついたことを…」などと言われたのだけど、年齢こそ平均年齢を引き上げる役割の私だが、このサークルに入って、まだ2年と経っていないのだ。底の浅い体験など話してもつまらなかろうと思い、「ここに入る以前の自分、どういういきさつで入会したか?それまでの言語環境は?交流環境は?」を話したいと申し出た。

申し出は快諾されたのだが、なかなかまとまらない。PCを立ち上げて、エディタを開き、話そうと思うことを箇条書きし、さらに階層別に記録していった。ところが、どんどん掘り進むだけで、話が先に進まない。それに第一これ、原稿を見ずに話せるのか?と思い至った。

思い切って、箇条書きに大ナタを振るい、階層も掘り下げずに浅くしたら、普段よく話していることになってしまった。Lさんに電話を入れて、「普段話してることしか話せないし、箇条書きのメモぐらいは見せてくれ。決して、原稿の棒読みはしないから」と言ったところ、

「全然問題ない。そうじゃなきゃ、話せないでしょ?」とのことだった。

あららっと拍子抜けはしたものの、これなら御の字と安心した。と同時に、発表と聞いて、必要以上に自意識過剰になっていた自分を恥じた。

ともあれ、What's PANA?の発表となった。特に掘り下げたくなる、入会動機の「人麻呂の暗号」の部分は削りに削った。全体は、音楽を通じて多言語と触れ合ってきた自分の生い立ちを話したことになる。

それでも、今年50になった男の生い立ちである、短いはずがない。後半はかなり駆け足になった。

評判は割と良かったようだ。(このサークルでは、誰のでもそうなのだが)

自分の思いを知ってもらおうと、サークル内で小さなプリントを配っているGさんの印刷物の後書きに、「こうしてパナが出来上がったのか?とわかって、興味深かった」と書いてあった。

「こうして出来上がった……?」発表で言ったことを反芻しながら、思いめぐらしていると、自分を構成する要素で、重要なものを発表し忘れたことに気がついた。

それについては次回、また。