残りのピース

What's PANA?で、私が言いそびれたことを書かねばならない。


それを書く前に、このサークルに入るきっかけとなった体験会で、私はこのサークル新潟地区での長老格のEさんにお話を伺った。私は、今年50なのだが、彼女がこの活動を始めたのは、現在の私の年齢からという。「以来、25年(当時)の歳月、この年になっても、まだ、毎日冒険できるのよ」という、魅惑的な殺し文句を聞いたのである。


そんなEさんが常々口にしているのが、「言葉を学ぶのではなく、真似ぶ」ということ。

以前にも書いたが、このサークルでは「言葉を学ぶのではなく、言葉を交流の中で育てる」という言い方もする。その具体的な方法として、「真似る」のを「真似ぶ」と呼んでいるらしい。


スポーツ選手にあこがれていた少年時代などは特に、お気に入りの選手のフォームなどを真似したものだったが、こういうのはコーチや先輩などからみると、矯正せねばならないと思うらしい。でも、頑張って我を通したうえで、結果も残すと、それはその選手の個性となって輝くものだ。


私は、スポーツの物まねは苦手の方で、もっぱら先生や芸人、アニメのキャラクターの物まねを得意としたと思う。似てる似てないではない。やりたいと思うか否かである。


小・中学生のころを思い浮かべると、クラスにそんな奴が何人かいたのを思い出すだろう。私もその一人である。「男子って単純ね」とそっぽを向く女生徒を尻目にである。


思えば、このサークルでやっている19ヶ国語のストーリーCDを真似するという言語の習得法は、教壇に立った講師から発音や文法を叩き込まれる従来の言語の習得法に比べて、はるかに私向きだったと思えてならない。


ギターを弾いていた時代の私を知る人は、「それならなぜ、お前はその物まねをギターを弾くのに生かせなかったのか?」と思うかもしれない。


これは、耳コピーというやつで、独学で楽器をやる連中は、少なからずそうやって覚えたものであるが、私はそれが割と苦手だった。それについては、「聞こえていたけど、指が動かなかった」としか言いようがない。笑い話になるが、私が耳コピーできた数少ない曲の一つに、ビートルズのHere Comes the Sun! がある。バングラデシュ・コンサートのジョージ・ハリスンの弾き語りをコピーしたものだけど、割と簡単なこの曲の耳コピーがなかなかできないでいた時、演奏前の調弦や指馴らしの方を先に覚えてしまった経験がある。

ともあれ、このサークルでは指盤の上で指を動かす必要はない。CDで話されている各国語のセリフやストーリーを口で真似するだけなのである。これがハマった。


そう、言いそびれた私の構成要素とは、「物まね小僧としての私」なのである。