ロケット・ボーイズ

例によって、今回も話はあっちこっちに飛ぶのでそのつもりで……
この本は、以前紹介したことがあったっけかなぁ?

今日の午後、YouTubeを見ながら遊んでたら、t-cophonyというギタリストに遭遇した。不勉強にも、これまでこの人を知らなかった。知らないはずだ、現在21歳、CDもまだ国内では1枚しか出ていない。
この種のギター・インストゥルメンタルの曲が好きなのでいろいろ聞きあさっていたのだが、そんな彼の曲の中で、October Skyというのを見つけた。


たぶん無関係だろうけど、October Skyといえば、映画「遠い空の向こうに〜ロケット・ボーイズ〜」の原題と一緒である。動画を見聞きしながら、ふと関連動画のリンクに目をやると、やはり"The Rocket Boys"の文字が飛び込んでくる。しかも、Homer Hickamだから、まさに「ロケット・ボーイズ」の著者にお目にかかれたわけだ。

また、映画のダイジェストなどの動画も見られた。

主演の男優、今でこそ「ブローク・バック・マウンテン」のJake Gyllenhaalだが、私にとっての彼の1本と言えば、October Skyである。(ごめん、ブロークバック…まだ見てないんで、この比較は無意味か?)まあ、彼の演技とか何とか言っても、わからないしね。それよりは、この映画の原作というか、Homer Hickam氏の自伝として描かれているストーリーが素晴らしいのである。そして、この映画のなんといっても良いシーンというのが、空を切り裂いて上昇していくロケットを見上げている人々の顔・表情である。

ロケットと言えば、そもそも大陸間弾道弾(ミサイル)の開発の過程で生まれてきたものと思われる方も多いと思うが、そればかりではないんだよというもっとも雄弁な反論がここには描かれていると思った。そういえば、宇宙開発よりも、問題だらけの地上の社会問題にこそ予算を割いてほしいという議論が事あるごとに起こるけど、ロケットを見上げて、希望を託したり、自分自身の気持ちへフィード・バックさせている人の表情を見ると、ロケットを開発することは決して無駄遣いなどではないと思える。

そして、この映画と自伝は、子供だけでなく、大人にも見てほしい。この映画に出てくる少年たちは、最初は町では危険な遊びをする悪い子たちとみなされていたのだ。その少年たちが、ただの花火を大きくしたものの火遊びではなく、ロケット開発へと方向性を与えたのが、新任の女教師の「黒色火薬に金属を加えると…」という言葉からである。

彼らは、そこで習ったことからより大きな推進力を持ったロケットづくりを目指すのだが、どうもロケットの挙動が安定しない。失敗したロケットの噴射口や残った燃料を観察することで、不安定な挙動を解決する手段を見出していくのだが、次第に自分の持っている技術だけでは加工が困難であるという壁にぶつかる。

ついに町の金属加工工場の親方や職工をも巻き込んで、タンクや噴射ノズルや燃料を改良していくと、挙動が安定し、彼らの打ち上げは、しだいに町の名物へと昇格していき、大勢のギャラリーを集めるようになる。

打ち上げを見上げる町の人々の表情が、それぞれがそれぞれの理由で素晴らしいのである。ある人は家族や友人を誇らしく思い、またある人は、ロケットに使われている材料に自分の仕事にかかわりがあることを思い、自らの仕事に改めて誇りを持ち直すのである。

本でも映画でも良いから、絶対に見てほしい。
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