初雪
私のPCの右端には、なにやらごじゃごじゃとガジェットというやつが表示されている。
その中の一つに、気象情報を表示しているものがある。何度かPCの不調を体験して、ガジェットを登録しなおしているうちに、気象情報の地域設定を怠っていることに気がついた。朝からのミゾレ混じりの雨のせいで、すっかり町は冷え込んでいるのに、「14℃」を表示している。よく見ると、地域の設定が「東京都」となっている。すぐに、わが街に設定しなおすと、今度は「5℃」と表示した。車のエアコンの温度設定の目盛りを上げなくては寒くて堪らないはずである。
朝からの雨は、雷をも伴っていた。近隣の各地で落雷が相次ぎ、鉄道での電気系トラブルや停電する地域が頻発した。うちの従業員でも巻き込まれた。私も配達中、国道を走っていると、前方の田んぼで垂直に稲光が走ったのを目撃した。田んぼの真ん中に立っている携帯電話のアンテナの避雷針に落ちたようだ。停電の被害は限定的で、いつぞやの大停電とは規模が違っていた。あの時は、送電線が広範囲で塩害でやられたため、復旧が遅れたと記憶している。
午後に入ると、冷え込みはさらに増した。跨線橋や線路の下をくぐるトンネルのわきに掲げられた温度計の表示が「2℃」だった。ラジオのニュースが「県内の初雪を確認した」と告げた。この街にも、もうすぐ来るんだろうなと思っているうちに、白いものがひらひらと舞い始めた。
話はそれるが、歌も良いし、声も素敵な女性歌手でありながら、ライブでの見栄えが良くない人の一人に、中島美嘉を挙げたい。カラオケの歌詞の背景に映る彼女の姿は、異様で滑稽だった。「なんだってあんなに奇妙なポーズをとるのだろう?でもこれは、PVを制作している人が、彼女に無理な要求を突きつけているんだろう」なんて、勝手に思い込んでいたのだが、NHKで女性歌手たちの映像を一挙に集めた番組でライブ映像で見た彼女の姿は、本当に異様だった。あの中腰と言うより、しゃがみ込みそうなポーズは、なんとかならないのだろうか?それでも、CDで聴いている限りで、とても好いんだよね。その彼女のヒット曲の中で最も好きなのが、「雪の華」だろうなと思う。
「雪の華」は、歌詞を聴いていると思うのだけど、男の立場で書かれたものだ。日本語で「君」というのが、女からみた彼氏を意味する場合も古来からあるのだけれど、この曲の歌詞には後半に「僕」が出てくるので、男の言葉でいいのだろう。街灯の光に照らされて夜道を歩くカップルが、初雪が舞い始めた光景を見て、互いをより愛おしく思うという名曲である。
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レコード会社の宣伝文句だろうと思っていたら、天璋院篤姫を演じる宮崎あおいさんが、韓国の若手の俳優と共演した映画でも、この言い伝えの話がモチーフとして使われているので、決して宣伝文句と言う訳ではないのだろう。
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