アイデアの質の違い

週末の私を悩ませた水問題は解決しつつある。応急処置として、実に良い方法が見つかった。

現在、水道メーターから、高架水槽に行かずに、直接水が出る蛇口が2か所ある。このうち1か所からパイプを使って、2階にある使ってない蛇口を撤去して直結した。これによって、水は高架水槽から水を供給していた管を逆流し、高架水槽までは行かないかもしれないが、そこに繋がっていたすべての蛇口に水が行き渡る可能性があるというのだ。

しかもこの方法なら、大きく配管を変更しなくとも良いばかりではなく、無駄にポンプを動かすために200Vの自家発電機をレンタルしなくて済む。この発電機、レンタル料の高さもさることながら、搬入・移動・設置のために大きな機械や大勢の人出が必要というのだから、最初に話が出た時は、目の前が真っ暗になったものだった。レンタル業者の営業マン氏には、丁重にお詫びを申し上げ、お引き取りいただいた。

問題は、こういう応急処置の仕方を水道局が認めるか?ということと、水道管から直接3階まで水をあげて、十分な水圧が得られるか?ということだった。

前者については、このアイデアを提案した人が、水道局に事情を説明すれば大丈夫と請け負ってくれた。これは心強かった。そうなれば仕事は早い、ほぼ午前中ぐらいで、あっけなく処置が終わってしまった。

通水が始まると、すぐにトイレのタンクに水がたまる音がし始めた。驚いたことに、高架水槽から水をとっていた時よりも水圧が高いのだ。最近、排水能力が落ちてきている小便器などは水があふれてくるほどだった。また、台所に流しのお湯の蛇口は、今まで水圧が低くて、湯沸かし器の燃焼を大きくすることができなかったのに、実に快適にお湯が流れ出てくる。30数年間、欠陥建築に悩まされ続けてきて、諦めかけていたものが手に入った感じだった。

問題はあるが、小さなことだ。トイレの小便器の流水量を小さく調整してっもらった後、僅かづつだが水漏れしていて、時々トイレの床が濡れてしまうのだ。まあ、連休明けにでも治してもらおう。

さて、このアイデアを提案してくれたのは、分電盤の動力のブレーカーのラベルに「高架水槽ポンプ」と書いてあるにもかかわらず、これを切断してしまった電気工事会社D社の人なのだが、私が苦情のFAXを送っておいたせいか、今日は別の人が来たのだ。この人が大当たりだったわけだ。

それにしても、一口に電気工事業者・水道工事業者といっても、各々の人が出すアイデアの質には驚くほど質の違いを感じる。たくさん市の仕事を請け負っている大きな会社だからといって、優れたアイデアを出せるわけではない。

欠陥だらけのうちの建物を建ててすぐに倒産した業者などは問題外で、近所にあるS水道工事会社などは、いつも4〜5人で乗り込んでくるが、30年間湯沸かし器の問題を解決できなかったボンクラ揃いである。おまけに、その会社の人が連れてきた電気工事業者などは、高価なレンタル料の発電機が必要と、のたまったのである。また、同じD社の人でも、ポンプの電源の見落としをしただけでなく、適切な対応を全く見出せない人もいるのだから、これは会社の問題というよりは、個人の能力の問題なのだろう。