連休の終わりに

毎年、連休の終わりにはUターン・ラッシュのニュースがトップを飾る。
今年は、ETC搭載車の優遇措置と新型インフルエンザの流行による海外旅行自粛ムードが重なって、一層渋滞に拍車がかかったことだろう。

新型インフルエンザのニュースは、連休の終わりにやってくる海外旅行者の帰国に神経をとがらせている。感染者はいるのかどうかという話である。

ただ、ここへきて新型インフルエンザの情報が変わってきている。初期のころメキシコで死んだ人の多くは、風邪の症状と思いこみ劇症になるまで診察を受けなかったらしいこと。また、死亡者には、腎臓病や糖尿病の患者が多く、普通の健康な体の人がかかっても、正しい対応で治療されれば平癒するらしいというのだ。また、未確認の情報ながら、重症者に若者が多いということから、高齢者には何らかの免疫があるのかもしれないという人もいる。

メキシコ以外の国では、アメリカでほんの数人の死者が出た程度、あれだけメキシコと広く国境を接している国でこうなのだから、感染力・毒性というのは通常のインフルエンザ並みということらしい。

なんでここまで神経質な対応になってしまったかというのは、まずメキシコからのニュースの入り方がかなりヒステリックなものだったということと、それを報道する日本のメディアがご丁寧に過去のデータを添付して、「スペイン風邪では死者……名」などとやったものだからじゃないかと思うのだ。私は、BS-1のニュースをよく見ているが、1時間おきに同じ映像を何度も見せつけられると、救急車で運ばれているのは数人でも、何十人も犠牲者が出ているように感じてしまうのだ。こういうのって、もっとなんとかならないものだろうか?メキシコに進出している日本企業の社員が、会社の上層部から帰国を命ぜられて、「何でこんなにヒステリックなんだ」と日本の対応と報道の様子に驚いている様子だったのは、なんとも皮肉な話だ。

ただ、並みといえども、インフルエンザは重症になれば死亡する人も出るという恐ろしい法定伝染病である。並のインフルエンザであることがわかったからと言って、安堵してもいられない。

また、インフルエンザ対策でマスクが不足しているというニュースもあったが、あれは果たしてどうなのだろうか?BBQの準備でとある量販店に行ったとき、不足しているはずのマスクが店頭入り口で山積みされていた。思うに、この冬は暖冬で、大きなインフルエンザの流行もなかったことから、メーカーでは大量の在庫が山積みされていたと思うのだ。今回の報道は、その在庫処分に協力した形だったのではないだろうか?

新型インフルエンザもETCへの優遇措置のように、経済効果へ好影響を与えてくれればいいのに。